黄色脂肪症
黄色脂肪症は、猫の栄養が偏ってしまうことで発症する猫の病気です。本来の脂肪は白色ですが、この病気にかかると黄色く変色してしまうことから、黄色脂肪症またはイエローファットと呼ばれています。
原因はマグロやカツオ、アジ、サバなどの背の青い魚に含まれる不飽和脂肪酸という成分の過剰摂取によって引き起こされます。初期症状では、腹部や胸部、腹腔内などにたまった皮下脂肪が酸化することで炎症を起こし、腹部に脂肪の硬いしこりが出てきます。しこりは痛みと熱を伴うため、猫は突っ立ったような、ぎこちない歩き方をしたり、お腹を触られることを極端に嫌がるようになります。
治療法としては、脂肪の酸化を抑えるビタミンEを飲ませたり、食事に混ぜたりすることで改善します。また、患部の炎症を抑えるために抗炎症薬(消炎剤)などを処方します。発熱による症状がひどくなると食欲が低下したり、脱水症状を引き起こすこともあるため、こういった症状が出ている場合は、それぞれの症状を抑える内科的な対症療法も行います。
普段の食事療法としては、市販されている良質のキャットフードにはビタミンEが添加されていますので、魚中心の食事を控えるようにし、魚類以外の栄養素をたくさん含むキャットフードを与えるようにします。また、魚を与えるときはおやつ程度とし、1日に必要なカロリーの5〜10%くらいを目安に与えるようにしましょう。