クル病
食事中のカルシウム・リン・ビタミンDの不足や不均衡、代謝障害によって骨が軟化してしまう猫の病気で、発育中の猫に発生して骨の石灰化が起こらない症状をクル病と呼びます。また骨形式が完了した成体の骨に脱灰が起こり、骨の軟化がみられる症状を骨軟化症と呼びます。
慢性の消化器障害や寄成虫症、さらに日光浴不足も要因となります。症状は、関節部が膨らんで手足や胸等の変形が見られ、運動を嫌がって動かなくなり、歩行に障害が出たりします。また、起立姿勢が変形して、肋骨と肋軟骨の接合部が腫大してしまいます。
対処・治療法としては、運動制限と食事の改善を最優先に行います。また、日光浴が出来るように生活環境を改善します。消化器障害や寄生虫病があれば、適切に対応します。病的骨折や骨の変形のないクル病であれば、一週間程度で元気を取り戻し、一ヵ月後には通常の生活が出来るようになります。
高齢の骨軟化症では、カルシウムやビタミンDの吸収障害が原因であることが多いので、カルシウム剤やビタミンD剤などを投与することもあります。ただし、薬物は過剰投与すると新たな骨疾患を生じるので、十分に経過を見て慎重に改善してください。